J-SAP


低リスク安定労作性狭心症に対する
薬物療法とインターベンション療法の
"短期予後とコスト"(JS-SAP Study、厚生科学研究費補助金健康科学総合研究事業(21世紀型医療開拓推進研究事業) 『我が国の冠動脈疾患に対する薬物・インターベンション治療の予後とコスト』)および
"長期予後"(JL-SAP Study、循環器関連学会合同"安定労作性狭心症"研究班)
に関する無作為介入試験プロトコール

1.試験背景

安定労作性狭心症は以下の2つに分類される。

高リスク安定労作性狭心症: LMT、LAD入口部(分岐部より5mm以内)または3枝病変で、生命の危険性の高い安定労作性狭心症。
低リスク安定労作性狭心症: 上記を除外した冠動脈病変による安定労作性狭心症で生命に対する危険性が比較的少ない安定労作性狭心症。

*安定狭心症の定義
狭心症発作が労作によって誘発され、冠動脈造影上責任病変の狭窄度が有意(AHA分類で75%以上、QCA上60%以上)である器質的狭心症で、6週間以上前から胸痛を自覚しているもの。現在胸痛があるか否かは問わない。急性心筋梗塞、不安定狭心症を否定でによる安定労作性狭心症は除外する)。 さて、上記の低リスク安定労作性狭心症に対する治療戦略には、初期治療が薬物かまたはPCI/CABGかにより以下の2つがある。

第1:薬物療法
初期治療として薬物療法を試みる。効果が十分でない症例に対し、PCI/CABGを行う。PCI/CABGを行った症例についても薬物療法を適宜加味する。

第2:PCI/CABG
初期治療としてPCI/CABGを試みる。その上で薬物療法を適宜加味する。

最新のACC/AHA/ACP-ASIM (1999 JACC, 2000 Circulation)による安定労作性狭心症に対するガイドラインによれば、 欧米で行われた薬物療法とPCI/CABGとの無作為比較試験の成績に基づいて、低リスク安定労作性狭心症に対する 治療戦略は第1の薬物療法であることが明記されている。
一方、我が国ではこのような明確なガイドラインの作成は現状ではできない。事実、我が国の8つの関連学会 (日本循環器学会、日本医学放射線学会、日本冠疾患学会、日本胸部外科学会、日本血管内治療学会、 日本心血管インターベンション学会、日本心臓血管外科学会、日本心臓病学会)が合同委員会『冠動脈疾患における インターベンション治療の適応ガイドライン(冠動脈バイパス術の適応を含む)-待機的インターベンション』 (委員長:岐阜大学第2内科 藤原久義)においても、低リスク安定労作性狭心症に対し第1と第2の治療法の どちらをとるべきかについてはコメントしていない。その理由は、第1に欧米と異なり我が国の現状は第2の 治療戦略を採っている施設が多いこと、第2に欧米と異なり我が国に信頼できる薬物療法とPCI/CABGとの無作為 比較試験が全くないため、どちらが患者にとって有利かというデータがないことによる。
最近のステントを中心としたPCIの進歩や、高脂血症薬の積極的な使用等の薬物療法の進歩は著しいものがある。 しかし、欧米においても最近の進歩を反映したこの問題に関する無作為比較試験はない。欧米人と比較し日本人 にはスパスムが多いことや粥状動脈硬化の程度が軽いことなど、体質や食生活における差により冠動脈疾患の病態 が欧米人と異なっている。我が国ではPCI/CABG後のCAG等を頻回に行えるなど保険制度や治療に対する基本的な発想 が欧米とは異なる。さらに、昨今の日本の政治・経済状況を考慮すれば、患者の安全性に加えて、コストについて 検討する重要性は言うまでもない。
以上のことを考慮すれば、ACC/AHA/ACP-ASIMのガイドラインは我が国にそのまま適応できるものではなく、かつ 既に古くなっている可能性もある。かくして現時点において、我が国において日本人の低リスク安定労作性狭心 症に対する薬物療法とPCI/CABG療法の無作為比較試験の試みの重要性は明らかである。


2.目的

低リスク安定労作性狭心症症例で、病変部位に対してPCI/CABGの適応のある症例を対象に、 患者の同意を文書で確認の上、薬物療法とPCI/CABGに無作為に振りわけ、短期および長期予後、 ならびに1年後のコストを比較検討する。
平成14年2月1日?平成14年11月30日の10ヵ月間にエントリーし、短期予後および短期コストの 調査は平成14年、1年後の予後およびコストは平成15年に実施する。また、2年、3年後の 予後は平成16?17年に実施する。

3.対象施設

PCIに関する厚生労働省の施設基準に合致した施設で、PCIを年間100例以上施行している施設78施設。

4.対象

  1. 30歳〜75歳でLMTおよびLAD入口部(分岐部より5mm以内)に狭窄病変のない1枝・2枝病変による 低リスク安定労作性狭心症患者(定義については1. 試験背景参照)症例で、冠動脈造影上責任病変 の狭窄度が有意(AHA分類75%以上またはQCA上60%以上)でありPCI/CABGの適応となる病変を有する症例。

  2. 性別や患者背景、リスクファクターが両群間でマッチングするようランダム割付を行った薬物 治療群400名、およびPCI/CABG群400名。

  3. 1施設につき、エントリー開始後、同意の得られた患者連続14例(薬物治療群とPCI/CABG 群の2群合計で14例)をランダム割付する。

    1. 以下の症例を含む
      1. 狭心症症状が6週間以上前にはあったが、その後の投薬にて症状が軽減ないし消失している症例

      2. 胸痛発作のある労作性狭心症に合併した無症候性心筋虚血症例

      3. 1年以上前に施行したPCI後の再狭窄が責任病変と考えられ、狭心症状を6週間以上前より認める低リスク安定労作性狭心症
    2. 以下の症例は除外する
      1. 左主幹部や左前下行枝入口部(分岐部より5mm以内)病変
      2. 3枝病変
      3. 2枝の慢性完全閉塞病変
      4. 1枝の慢性完全閉塞病変であるが、PCIにて成功の可能性が低い病変(長期慢性完全閉塞症例、完全閉塞病変長が長い病変など)
      5. 急性心筋梗塞
      6. EF<50%(左室造影または心エコー上でのglobal EF)
      7. PCI/CABGの適応とならない病変(細い側枝、末梢枝)
      8. 出血傾向・DIC・重篤な肺炎等の合併症の認められるもの
      9. 腎機能障害(Cr>1.5mg/dl)
      10. 重篤なASOや大動脈瘤などがあり、PCI/CABGを施行するのに不適当な患者
      11. 労作性狭心症の合併のない無症候性心筋虚血症例
      12. 6週間以内に症状が新たに発現または増悪した不安定狭心症症例
      13. CABG症例で、グラフト狭窄が責任病変である症例

5.試験方法

  1. 登録期間
    平成14年2月1日〜平成14年11月30日の10ヵ月間とする

  2. 試験デザイン
    1. 低リスク安定労作性狭心症患者のうち、主治医がこの試験の対象に合致すると 判断した連続対象患者に対して、各施設に割り当てられたパスワードにてJ-SAPホーム ページにアクセスし、施設名(パスワードより自動入力される)、患者個人のIDの 下4桁、年齢、性別で仮登録する。
    2. その後、患者に試験方法の説明を行い、文章で同意を得る。
    3. 薬物治療かPCI/CABGかの治療選択はホームページに再度アクセスして、 リスクファクターの有無を入力した後に決定され、画面とe-mailで即座に通知され、 患者に治療法を通達する。
    4. 同意を得られなかった患者に対しては、ホームページにデーターを入力する 同意を得た後、ホームページに再度アクセスして、理由と任意に選択された治療法を 記入する。また、その予後について、1カ月、6カ月、1年、2年、3年後に追跡調査 する。しかし、ホームページにそのデーターを入力することの同意さえも得られない 場合は、ホームページにアクセスして、仮登録削除の手続きを行う。
    5. 同意の得られた患者は、ホームページ上の指示に従い内服薬や冠動脈造影所見など、本登録する。
    6. 試験開始日は、薬物療法群は登録当日から、PCI/CABG群はPCI/CABGを施行した日とする。
    7. 薬物療法、PCI/CABGの内容に関しては以下の4)、5)参照。

  3. 調査対象症例の登録および追跡
    1. ホームページにアクセスして、なるべく1週間以内に登録時調査項目を記入する。
    2. 第1次追跡終点を以下の如くとする。
      • 死亡(全死亡、心臓死、突然死)
      • 急性冠症候群(貫壁性梗塞、非貫壁性梗塞、不安定狭心症)
      • 脳梗塞や脳出血(一過性脳虚血発作(TIA)を含まない)
    3. 第2次追跡終点
      第1次追跡終点にかかわらず、全症例を対象に1カ月、6カ月、1年、2年、3年後 に狭心症状を含むQOLと、生存・死亡を調査する。また、2年後にトレッドミルを調査する。


    • 注1: 薬物療法群PCI/CABG群ともに、経過中の不安定狭心症への移行も急性冠症候群の発症と考え、 追跡終点とする。(はじめの責任冠動脈以外の病変進行も含む)
    • 注2: 薬物療法群におけるインターベンション追加に関して

      1. アレルギー等の副作用のない限りβ遮断剤を必須とし、Ca拮抗剤、亜硝酸剤のうち どちらか一方が、または両者ともが投与されていることを(β遮断剤+Ca拮抗剤、または β遮断剤+亜硝酸剤、またはβ遮断剤+Ca拮抗剤+亜硝酸剤)最低の原則とし、その他4) で示す十分な薬物投与をなるべく4週間は受けていることを条件とする。
      2. ただし、薬物療法にかかわらず自覚症状または虚血所見の悪化の場合は、その期間・ 薬物の種類にかかわらずインターベンション可(主治医の判断に任せる)
      3. 薬物療法中の症状が不変または改善の場合は、狭心症状分類により下記のように決定される。

        Class 0: 薬物療法継続
        Class 1〜2: 薬物療法継続。ただし、仕事等の関係で患者から要望がある場合はインターベンション可
        Class 3〜5: インターベンション可(主治医の判断に任せる)

        *狭心症状分類
        Class 0: 日常の身体活動のみならず、激しい労作時にも狭心症発作は起こらない
        Class 1: 日常の身体活動ならびにそれを軽度に越える労作では狭心症発作は起こらない。 しかし、日常の身体活動を高度に越える激しい労作、例えば山登りやマラソンなど の階段を6階以上登る、トレッドミルにてBruce変法Stage 5あるいは7Mets以上の 労作等では狭心症が起こる
        Class 2: 日常の身体活動では狭心症発作は起こらないが、 日常の身体活動を軽度に越える労作、例えば階段を3〜5階登る等では狭心症が起こる
        Class 3: 日常活動がわずかに制限される。200mを越える平地歩行、または階段を1階以上登ると狭心症が起きる
        Class 4: 日常の身体活動が著しく制限される。100〜200mの平地歩行、または階段を1階登る途中で狭心症が起きる
        Class 5: いかなる身体活動でも狭心症が起きる

      4. 薬物療法後のトレッドミル、心筋シンチ、マスター負荷心電図、 ホルター心電図などの理学検査による効果判定により下記のように決定される。
        • 悪化:薬物療法の期間、薬物療法の種類によらず、インターベンション可(主治医の判断に任せる)
        • 不変:上記3)の症状の項を優先する
        • 改善:薬物療法継続

    • 注3: PCI/CABG群における再インターベンションに関しては、 主治医の判断に任せるが、たとえ無症候であっても何らかの  理学検査による虚血の証明を必要とする。
  4. 使用薬剤に関しては、原則として自由とするが、下記の薬剤が望まし い。処方は主治医の判断により適宜追加投与、変更は可とする。

    1. 薬物治療群においては、4)-a.の各抗狭心薬は特別の事情、例えば薬 物療法に対しアレルギー等の副作用などがあるなど以外、十分な投 与を行うこと。PCI/CABG追加については、3)の注2参照。 ならびに、b.〜e.の薬物療法も十分に行うこと。
    2. PCI/CABG群におけるPCI/CABG後の抗狭心症薬の投与は、各主治医の判断に任せる。
    3. Risk factorに対する治療は、薬物療法群、PCI/CABG群共に以下b.?e.に準じて同一とする。

    1. 抗狭心症薬
      1. 抗血小板剤(アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ベラプロストナトリウム、 ジピリダモール、サルポグレラート)・ 抗凝固剤(ワーファリン)・EPA製剤(イコサペント酸エチル)
      2. β遮断剤(アテノロール、カルベジロール、ビソプロロール、 アロチノロール、セリプロロール、ニプラジロール、プロプラノロール、メトプロロール、ベタキソロール)
      3. Ca拮抗剤(アムロジピン、ニフェジピン、ベニジピン、ジルチアゼム、エホニジピン、 ニソルジピン、ベラパミル、ニトレンジピン)
      4. Kチャンネルオープナー(ニコランジル)
      5. 硝酸剤(ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド)
      6. その他(トラピジル、塩酸ジラゼプ、ジピリダモール)

    2. 降圧剤
      糖尿病非合併例ではできる限り血圧を140/85mmHg以下 に維持する。糖尿病合併例では、できる限り130/85mmHg 以下に維持する(日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン(JSH 2000))

      1. α遮断薬(ドキサゾシン、ブナゾシン、ウラピジル、プラゾシン)
      2. β遮断剤(アテノロール、カルベジロール、ビソプロロール、 アロチノロール、セリプロロール、カルテオロール、ニプラジロール、 プロプラノロール、メトプロロール、ベタキソロール)
      3. Ca拮抗剤(アムロジピン、ニフェジピン、ベニジピン、 ジルチアゼム、エホニジピン、ニルバジピン、シルニジピン、ニカルジピン、 ニソルジピン、バルニジピン、マニジピン、ニトレンジピン)
      4. 利尿剤(フロセマイド、スピロノラクトン、アゾセミド、アセタゾラミド、トラセミド、トリクロルメチアジド)
      5. ACE阻害剤(エナラプリル、テモカプリル、イミダプリル、 リシノプリル、ペリンドプリル、アラセプリル、キナプリル、シラザプリル)
      6. A-II(ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン)

    3. 抗高脂血症剤
      できる限り総コレステロール値を180mg/dL以下、 LDLを100mg/dL以下に維持する(日本動脈硬化学会高脂血症診 療ガイドライン 1997)

      1. HMG-CoA還元酵素阻害剤(プラバスタチン、シンバスタチン、  アトルバスタチン、フルバスタチン)
      2. クロフィブラート系(ベザフィブラート、フェノフィブラート)
      3. その他(プロブコール)

    4. 血糖降下剤
      できる限りHbA1Cを6.5%以下に維持する(UKPDS 33 1998)

      1. SU剤:グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド
      2. 食後過血糖改善剤:アカルボース、ボグリボース
      3. インスリン抵抗性改善剤:塩酸ピオグリタゾン
      4. インスリン

    5. 高尿酸血症
      できる限りUAを7.0以下に維持する。

      アロプリノール、ベンズブロマロン

  5. PCIで用いられるdeviceは、原則として制限を設けないが、下記の device、特にStentの使用が望ましい。

    1. POBA
    2. Cutting Balloon
    3. Stent
    4. DCA
    5. Rotablator

  6. 一般療法については、薬物治療群、PCI/CABG群ともできるだけ十分に試みること。

    1. 禁煙:完全禁煙
    2. 運動:毎週3〜4回、30分づつ以上
    3. ストレス:ストレス減少
    4. 食事:低脂肪食、減塩食

  7. 検査項目

    1. 自覚症状:狭心症症状分類
    2. 血圧、心拍数
    3. 身長・体重、BMI(コンピューターで自動計算される)
    4. 血液検査
      1. RBC, WBC, Hb, Ht, Platlet
      2. BUN, Cr
      3. GOT, GPT, LDH, r-GPT, ALP
      4. CRP, CPK
      5. T. Chol, TG, HDL
      6. FBS, HbA1C(DM患者のみ)
      7. UA
    5. 理学検査
      1. トレッドミル(Bruce変法 protocol使用が望ましい)は必須
      2. マスターやエルゴメーターによる負荷心電図
      3. ホルター心電図
      4. 核医学的検査

    • 注1:理学検査に関して、経過観察は同じ方法を用いること。
    • 注2:登録時心カテおよび、上記4.と5.の検査は、紹介医によるも のも含め、登録前4週間前までのものとする。
    • 注3:トレッドミル(Bruce変法使用が望ましい。下記参考参照)は 必須とする。しかし、歩行障害などでトレッドミルが施行不能 の場合にはこれの限りではない。

    <<参考:Bruce 変法(国立循環器病センター方式)>>
    STAGE01(2)3(4)5 (6)78910
    Km/h2.52.52.53.54.55.55.5 5.55.56.57.5
    Grade(%)051010101014 18222222
    NYHAVUT
    *各STAGEは3分毎にupする。中止までの時間とSTAGEを測定。

  8. 観察期間
    両群とも3年間。
    *コストについては、別に1年後のみ調査させていただきます。

  9. 統計処理
    Kaplan-Meier法、Log Rank Test、カイ2乗検定などで分析する。 データーの集計や統計の解析は、日本公定書協会データセンターに委託する。

  10. 評価委員会
    中央委員長、中央委員と選出された独立した外部評価委員で構成 された評価委員会を、1年、2年後に開催し、試験の継続か中止かを決定する。

6.研究等における医学倫理的配慮について

  1. 研究等の対象とする個人の人権擁護
    本研究は、患者のプライバシー保護に十分に配慮して、施設ごとの薬物療法、 PTCAの施行順位と患者イニシャルで登録する。指定された施設の医師のみが データをチェックし、その医師からデータを得るもので、第3者がカルテ等 のデータを直接調査するものではない。薬物療法、PTCAの施行順位は、病院 の患者登録番号と異なり、研究を実施している医師のみが把握しているもの であるので、プライバシー侵害の可能性はきわめて少ない。また、本研究は、 日本公定書協会データセンターのホストコンピューターにより無作為割付を 行い、データを蓄積し、統計学的解析を行うが、そのデータは個人識別が不 可能なものであり、また何重にもコンピューターデータには防御システムが 配備され、データの漏出、施設の担当医師以外のデータ修正は限りなく不可能である。

  2. 研究等の対象となる者に理解を求め同意を得る方法
    本研究の介入試験に際しては、あらかじめ介入試験内容、意義と危険性およ びプライバシー侵害の恐れがないことを患者に説明して、文書で同意を得る。 同意能力のない患者は対象としない。また、試験期間中、患者が試験登録中止 を求めた場合、いつでも登録を削除することができる。

  3. 研究等によって生ずる個人への不利益、危険性
    低リスク安定労作性狭心症に対する薬物療法とインターベンション療法は我が 国において共に保険適用されており、各施設、各医師の判断に任されている のが現状である。かつ、薬物療法群において、薬物の効果のない時は直ちに インターベンションができ、一方インターベンション群においては、適宜主 治医の判断により薬物の投与の追加も認められている。コストについては、 我が国の特殊な保険制度により、両群における個人の負担の差はほとんどない 。我が国に無作為比較試験はなく、どちらが患者の生命予後等で有利かは不明 である。したがって、本研究対象となる患者がどちらに選ばれてもそれにより 患者が不利益および危険性を被ることはありえない。

7.本登録患者に対する待遇・研究実施医師への謝金

本登録に同意された患者に対しては、血圧計を患者一人に対して1台を貸与するものとする。 また、研究に参加・協力し、患者登録を行った医師に対しては、その労働時間・労力に相当する謝金を支払うものとする。


プロトコール フローチャート

.登録時1Mo6Mo 1Yr2Yr3Yr
自覚症状.
HR, BP..
血液検査.
トレッドミル心電図..#..
マスター負荷心電図
ホルター心電図、心筋シンチ
#.##.##
心カテ薬物療法群、 薬物療法のみ
PCI追加
CABG追加
PCI/CABG群、  PCI
CABG
...##..
..##..
..##..
..##..
..##..
投薬内容、イベント等の
追跡用紙記入
.
上記のそれぞれの検査に関しては、上記以外にも必要に応じて施行。 登録時の心カテより以前に薬物投与を受けた症例は、登録時に投与以前の症状も記入。
注:登録時心カテおよび、血液・理学検査は、紹介医によるものも含め、登録前4週間前までのものとする。
# :必須ではないが、施行が望ましい。
##:必須ではないが、1〜2年の間に施行が望ましい。


8.組織

 『低リスク安定労作性狭心症に対する薬物療法とインターベンション療法 の"短期予後とコスト"および"長期予後"に関する無作為介入試験』
 
研究班
中央委員委員長岐阜大学医学部第2内科教授  藤原 久義
事務局岐阜大学医学部第2内科講師  西垣 和彦
[PHONE] 058-267-2607
[FAX] 058-265-4037
[e-mail] sap@cc.gifu-u.ac.jp
   

中央委員
北海道北海道大学大学院医学研究科
循環病態学(循環病態内科学)
北畠 顕 
関東・東北東邦大学医学部付属大橋病院
第3内科学
山口 徹
日本大学医学部内科学(内科2)
駿河台日本大学病院第2内科
上松瀬 勝男
北陸金沢医科大学循環器内科 竹越 襄
東海岐阜大学医学部第2内科 藤原 久義
関西大阪大学大学院医学系研究科
病態情報内科学
堀 正二
国立循環器病センター 友池 仁暢
中国・四国山口大学医学部器官制御医科学
(内科学第2)
松崎 益徳
九州九州大学大学院医学研究院
循環器内科
竹下 彰
疫学統計専門家岐阜大学医学部公衆衛生学 清水 弘之
東京大学大学院医学系研究科薬剤疫学講座 山崎 力

外部評価委員
東京大学大学院医学系研究科器官病態内科学(循環器内科) 永井 良三
浜松医科大学第3内科 林 秀晴

(敬称略)

HOME


(c) 2002 Japan Clinical Research Assist Center